Worker's Resort

DESIGN

SHARE
はてなブックマーク

あなたを雑音から救う‼︎ 集中を生み出すオフィスファニチャー

[August 22, 2017] BY Nanako Hiranaga

オフィスにまず求められるのは、コミュニケーションスペース

働き方や仕事の内容に合わせて、その日の自分に合った環境を選択する働き方が広まる中、オフィスには多様な環境を用意することが求められています。

ABW(Activity Based Working)についてはこちらから:ABWの導入はHackから

そこで企業がまず取り組むのが、コミュニケーションのためのスペースづくりです。大きな会議室や個人スペースの効率を見直し、組織が横断して意思疎通できるオープンな空間構築を行っていきます。世の中でも、シェアリングエコノミーによる知の共有や、コワーキングスペースが主催するコミュニティへの参加、企業に属せずプロジェクトベースで働くスタイル等が広まっています。それは企業内に留まらないコミュニケーションが、新しいビジネスやイノベーションの切り口として認識されているからだと言えます。

オープンな空間はあなたの集中を邪魔する?

一方で、オープンで誰とでも気軽に接点を持てる環境は、機密性の高い業務や集中したいときの弊害となることも忘れてはなりません。人は集中作業時に話しかけられると、同じ集中状態に戻るまでに23分かかると言われています。

Photo by Crew on Unsplash

そこで見直されているのが集中のためのスペースづくりです。従来、集中作業を行う際は個人席が活用されてきました。ですが人が交わりコミュニケーションを行うことの重要性が問われる中で、個人スペースの在り方も再定義されつつあり、集中用のスペースは共用空間の一部として運用するというケースが増えています。先日ご紹介したハドルルームもその一つです。

関連記事:チームの機動力を高める「ハドルルーム」の活用事例

しかし天井まで壁を立てた個室をつくるには、消防設備はもちろんのこと、空調(湿・温度や匂い対策)や照明の計画も必要となり、満足するレベルまで作りこむには、かなり費用がかかってしまいます。中にはそこまで音や環境は気にしないからもっと手軽に集中スペースを設けたい、という企業も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、気軽に設置が可能な集中用の家具等をご紹介します。

集中できない場所に集中スペースがあることも

集中するためのスペースと言えば、図書館や予備校の自習スペースを想像する人も多いかと思います。不特定多数のために用意するのであれば自習スペースと同様の設計でも問題はないでしょう。しかしオフィスではそうはいきません。オフィスでは社員という特定多数の利用者をイメージし、業務内容に則した計画が必要だからです。

集中することを想定した場合、よく目にするのが入口から遠い窓際に設けられたカウンター席。しかしこのような場所は必ずしも機密性の高い業務に向いているとは言えません。室内側に背を向ける配置は、背後を通る人からPCの画面をのぞき見されやすい状況となります。

また逆に窓に背を向けると、外からの光が眩しかったり、モニターに光が反射しストレスに感じてしまいます。せっかく見晴らしの良い窓も常時閉めてしまうということにもなりかねません。

集中スペースを家具で演出

SteelcaseのBrodyは-アンクレイブ(隠れ家のような集中用スペース)に代わるスマートなソリューションとして、オフィスのデッドスペースを心地よい集中と休息の「場」へと変換します-と謳っており、ラウンジチェアとして真の快適性と、視覚的刺激に配慮してつくられています。

タスクライトや電源、フットレストなど快適に仕事ができる機能が備わっている。(写真はSteelcaseより引用)

 

岡村製作所が提供するmuffleオープンオフィスに、もっと集中できる環境を。をコンセプトに、チーム用の会議スペースのみならず、個人用の集中ブースとしての需要に応えています。

リラックス感を醸し出すアール形状と、圧迫感の少ない柔らかな表面材が安心感を与える。(写真は岡村製作所より引用)

 

FrameryのFramery Oという製品は完全に部屋になっていますが、置き家具として汎用性が高く、Integrated air conditioning and lighting mean that you can even stay all day.とのことで、必要に応じて空調や照明を取り付けることができます。(右画像はFrameryから引用)

ちなみに、ウクライナのデザイン会社Hochu rayuはHelmfonというユニークなヘルメット型の製品を開発しています。

(写真はHochu rayuより引用)

発散と収束をコントロールする

先日のインタビューでDesign BlitzのSeth Hanley氏が語っている通り、テクノロジーの発展やリモートワークの影響でオフィスの意義が問われています。一方で、直接的な交流を生む場としてオフィスが存在し続けるとすると、個人のために集中するスペースをオフィスに用意するべきかという疑問を持つこともあるかもしれません。

関連記事:【Seth Hanleyインタビュー#3】リモートワークが実現してもオフィスが存在し続ける理由とは

また、パーティションで囲われた個人席のようなものを見れば、一昔前の外資系のオフィスのようにも感じ、昔のスタイルに戻っているのでは?と思われるかもしれません。しかし昨今家具メーカーが提案しているものは、共有のスペースの一部を区切り一時的に集中して利用するための空間であり、決して特定の個人のために設えた空間を用意するためではないということです。自分の持っている業務や置かれている状況がどうなのかを確認し、整理した内容によって、オープンと集中、またはその中間のスペースを使い分けることで、アイデアや情報の発散と収束をコントロールし、限られた時間を有効的に使うことができるのではないでしょうか。

集中スペースは利用者のマナーと周囲の配慮が大切

また、空間をつくっただけではただの隠れ家になってしまいがちなため、利用者のマナーや周辺利用者側の配慮両方のガイドラインを併せて検討する必要があります。例えば、時間を区切る、占有しない、ごみを残さない等の利用者側のマナーや、利用中は電話を取り次がない、緊急時以外は声をかけない、周りで賑やかなミーティングをしない等の周辺利用者側の配慮、それらがより効果的な空間として活用されることにつながるでしょう。

「多様な環境を目指したのに、気づいたらコミュニケーションスペースばかり」なんてことにならないよう、集中スペース用の家具も検討してみてはいかがでしょうか。

※紹介した製品によっては、ビルの規則や行政指導により設備工事が必要になる場合もありますので、導入の際は関係各所にご確認のうえご検討ください。

はてなブックマーク

この記事を書いた人

Nanako Hiranaga

Most Popular

  1. 世界と戦えるオフィスが日本で出来ない3つの理由
    [DESIGN]世界と戦えるオフィスが日本で出来ない3つの理由
  2. 【Primo Orpillaインタビュー#2】良いオフィスデザインの鍵はユーザーにある
    [STYLE]【Primo Orpillaインタビュー#2】良いオフィスデザインの鍵はユ…
  3. 健康的なオフィスの新基準、WELL Building Standardとは?【後編】
    [DESIGN]健康的なオフィスの新基準、WELL Building Standardとは…
  4. スノーピークビジネスソリューションズが挑む、世界でも広がるネイチャー志向のワークプレイス
    [DESIGN]スノーピークビジネスソリューションズが挑む、世界でも広がるネイチャー志向の…
  5. 福岡発のスタートアップ、Nulabのニューヨークオフィスに訪問してきた
    [STYLE]福岡発のスタートアップ、Nulabのニューヨークオフィスに訪問してきた
  6. 健康的なオフィスの新基準、WELL Building Standardとは?【前編】
    [DESIGN]健康的なオフィスの新基準、WELL Building Standardとは…
  7. 楽しい!だけじゃない社内コミュニケーションを活発にさせるプログラム
    [FACILITY]楽しい!だけじゃない社内コミュニケーションを活発にさせるプログラム
  8. 【Primo Orpillaインタビュー#1】Studio O+AのPrincipalに聞く、西海岸流オフィスデザインの原点とは
    [STYLE]【Primo Orpillaインタビュー#1】Studio O+AのPri…

Instagram