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”新事業が形になる” – アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京で進む各企業との取り組み

[February 14, 2019] BY ICCパートナーズ編集チーム

ICCサミット FUKUOKA 2019のセッション「我が社のEX(従業員体験)-オフィスで生み出すコラボレーション体験とは?」で紹介する企業のオフィスを訪問するシリーズ、第3回は、2018年1月に完成した、住友不動産麻布十番ビルの2フロアを占める「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」を訪ねました。後編ではこのオフィスで体験できることをレポートします。ぜひご覧ください。

– ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

前編では、アクセンチュアとアクセンチュアジャパンの事業内容と成長について紹介したが、それを牽引する象徴ともいえるのが、2018年1月に誕生した「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」である。ここでは、一体どんなことができるのだろうか。アクセンチュア マーケティング・コミュニケーション部広報室長の神田健太郎さんに聞いた。

「ここで皆様がどういった体験を得ることができるかというと、業界の垣根を超えたコラボレーションや、先進のソリューションを見て触って体感し、新たな着想を得て、そこからイノベーティブなサービスを生み出していくことです。

今や、企業単体でイノベーションを起こすことはほぼ不可能です。ほかの企業やエコシステムと一緒になってはじめてイノベーションが起こるという前提のもと、お客様のいろいろな課題や要望に対して、その領域の専門家やエコシステムパートナー、スタートアップやVC、アクセラレーター、行政機関や大学など、さらには業界業種を超えた方々ディスカッションができます」

「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」は、ビルの2フロアを占めている。出会いの場であり、さまざまなデモが展示されている8階「THE HUB」、業界のエキスパートや専門家たちや、2017年12月に完全子会社化したデジタルマーケティング企業、IMJのオフィスが入る9階「THE STUDIO」によって構成されている。

「従来は我々がお客様のところへ訪問していたのが、逆にお客様から『アクセンチュア イノベーションハブに行きたい』とのご要望を大変多くいただいています。

すると何が起こるかというと、担当のコンサルタントだけでなく、データサイエンティストや心理学の専門家がいたり、クリエーターやデザイナー、さらにはSAPに精通したエンジニアがいるなど、アクセンチュアの各領域のエキスパートが集結していますので、お客様のいろいろな課題や要望に対して柔軟な対応が可能になるのです。

なおかつ日本だけでなく、海外ともつながっているので、世界の知見とつながることができます。1日2日で帰る方もいれば、協業スペースに数ヵ月常駐する方もいます」

エントランスに祭りのやぐら、屋台

まずは8階のTHE HUBから見学していこう。このフロアで一番大きな面積を占めているのが、デモ・ワークショップエリア。エントランスに入るとまずインパクト大なのが”やぐら”だ。麻布十番という立地から、オフィスデザインには”祭り”をモチーフにしたものが用いられている。

8階エントランス正面にあるやぐら

エントランス右手には大きなバーカウンター。コーヒーや軽食などがある

やぐらの後方にあるステージ。とにかく広々としている

ステージの周りには、AIやデジタル技術を活用したRPAなどの先進自動化ソリューションなどのデモが、祭りの”屋台”のように設置されている。「可搬性」は、アクセンチュアのオフィスをグローバルでデザインするゲンスラーによるコンセプトで、さまざまなデモ機の展示も説明を書いたホワイトボードも可動式。その日の来客に合わせたデモが展示されることになっている。

AI HUBのデモ。複数のAIエンジンから最適なエンジンを組み合わせ人間のオペレーターとの協調も可能なプラットフォームだ

そもそもテクノロジーを使ったデモは数ヵ月で陳腐化する可能性があるため、常設には意味がないという。

この日展示されていたデモは、業務の自動化を実現させる先端RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)2011年からアクセンチュア福島イノベーションセンターがある会津若松市で導入されている「デジタル・シチズン・プラットフォーム」という地方自治体のプラットフォームや、「アクセンチュアフルフィルメントサービス」という、サプライチェーン上の膨大なデータを管理して在庫水準や補充を最適化するものなど。

「アクセンチュアフルフィルメントサービス」のデモ

いずれも利便性は高く、パーソナライズされた情報がすぐ見つかる「デジタル・シチズン・プラットフォーム」は利用率が20%ほどあるため(従来のサイトは5〜7%程度)、人手不足の地方自治体の業務を軽減し、「アクセンチュアフルフィルメントサービス」は、付近のイベントや気温などのデータを入れることで、圧倒的に商品ロスの削減や在庫回転率の向上を図れるという。

この日、出番のないデモはガレージに格納されている

「DFREE DIGITAL HEALTHCARE」の展示スペースに、ICCサミットに参加している、ユカイ工学青木 俊介さんのBOCCO、Qooboを発見

おもちゃのように見えるがブロックチェーンのデモ。プラレールの上を貨車が走りながら情報を読み取り共有していく

順路に沿ってさまざまなデモが見られるようになっている展示スペースもある。

地面に描かれた赤い矢印がマス・カスタマイゼーション、黄色がハイパー・パーソナリゼーションのデモの展示になっている。

上の写真は、工場の製造ラインをそのまま双子のようにデジタル上で再現させる「DIGITAL TWIN」という技術を、レゴのような小型模型でシュミレーションするデモ。すべての過程にIoTが入って可視化され、生産性の悪いところをデジタル画面で制御できるため生産性も上がるという。これはまだ黎明期モデルで、今後数年かけて実用化を見込む。

ソニーコンピューターサイエンスとソニーが共同開発した人工知能のはんだ付け検査装置。熟練工でも見えない裏面の部分の不具合を見つけ出す

複雑な作業の指示を遠隔オペレーションで受ける仕組み。熟練工の暗黙知を可視化させることで、安全性の向上に大きく貢献する

ひとつひとつのデモは、イノベーションのアイデアや課題解決を提示し、ただ見るだけでも興味深いが、解説してくれる人がいるとより理解が深まる。一体どういう仕組みになっているのか、これを流用して自分たちのビジネスに使えないか、という発想がわいたら、オフィスにいる開発者や、データサイエンティストなど専門家を呼んできて、すぐに話をすることができる。

展示スペースのまわりには、オープンな雑談スペースの他にクローズドな会議室も豊富にある

課題解決をアジャイル化する

見学が終わったところで、前編の最後に触れた、アクセンチュアの方法論のアジャイル化である。「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」がこのような作りになっている理由を、再び神田さんが説明する。

「我々コンサルティング会社は、お客様が考える課題に対して、提案書を準備して採用いただくというのが従来の形でした。

しかし、ここで実現しているのは真逆です。来ていただいて、先端技術や知見に触れて、お客様と共に課題は何かというところから一緒に考え出していくというものです。そしてソリューションの方向が出てきたら、まずはモックアップでデモを創り上げる。そのスピード感は過去にはなかったものです。具体的なイメージを元にどんどんプロジェクトを精緻化させていくのです」

IMJの社員が多く入る9Fのオフィスは、写真のバーカウンター以外は非公開。執務スペースのほかに、座敷や撮影スタジオ、セミナースペースもある

どれを試作するか、そもそも試作していいかどうかと考えるより、専門家とともに作ってみながらブラッシュアップを進め、スピーディーな課題解決を目指す。そのスピード感と実行力こそが、今、このオフィスで提供している価値であり、共創であり、事業成長へのイノベーションである。加治さんは言う。

「アクセンチュアは世界中の有力なテクノロジー企業との強固なアライアンスのもと、お客様側の事情に沿った最適な組み合わせて提供しています。

アメリカなどでは、イノベーションというと転職や独立という発想になりますが、流動性が低く、会社へのロイヤリティが高い日本人ならではの、日本型イノベーションが今、起こっている気がします。

大企業がスタートアップの技術やスピード感を必要としているのは、協業により、社内でイノベーションが生むことができるからです。それが注目されるだろうという発想から、このオフィスが生まれました。

箱だけできて、あまりイノベーションにつながっていないところもありますよね。我々はここでどんな案件が生み出され、どのくらいのインパクトをもたらすものになるかを常に意識して、この拠点を運営しています」

関連記事:「日本でアントレプレナーシップの文化を根付かせたい」小豆澤祐はどうやってアクセラレータになったのか【小豆澤祐インタビュー#1】

「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」を実際に見る前は、まさに失礼ながら「贅沢な箱」のように思っていた。しかし作られた背景を聞き、スタートアップから大企業、官公庁にまで活用されるようなイノベーション、コラボレーションを実際に生み出していることを知ると、アクセンチュアの成長の最先端で、日々細胞分裂を繰り返しているのが、この場だということがわかる。
事業を生み出すという意味ではオフィス、従来にない仕掛け、そこで得られる体験がイノベーションを生む意味ではそれ以上、「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」は、オフィスを超えたオフィスというと陳腐だろうか。

アクセンチュアだからこそできるスケール感で、ワークプレイスからイノベーションを生み出そうというこの試みは、見学するだけでもインスパイアされること請け合いである。

写真左から、ICC小林、フロンティアコンサルティング佐々木さん、アクセンチュア加治さん、神田さん

※本記事は ICCサミット FUKUOKA 2019 公式ページより転載しております。

【アクセンチュア・イノベーションハブ・東京オフィスデータ】

所在地東京都港区三田1-4-1 住友不動産麻布十番ビル
オフィスフロア平米数
設立1962年事務所開設、1995年12月
従業員数約11,000名(2018年12月1日現在)
事業内容「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」
「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供

 

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この記事を書いた人

ICCパートナーズ編集チームICCパートナーズは産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンス「Industry Co-Creation サミット/ICCサミット」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。



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