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【イベントレポート】作っただけで終わらせない 明治ホールディングス オフィスカフェ事業者と考える オフィスの「場づくり」と運用

株式会社フロンティアコンサルティング主催のもと、明治ホールディングス株式会社の社内食堂にて「作っただけで終わらせない 明治ホールディングス オフィスカフェ事業者と考える オフィスの『場づくり』と運用」と題したトークイベントが開催されました。

イベントには、社内食堂のリノベーションプロジェクトに携わる明治ホールディングス株式会社の加藤健二氏と、オフィスカフェ事業を手がける株式会社Gardenの青柳智士氏が登壇。モデレーターを務める株式会社フロンティアコンサルティングの大前敬文とともに、「オフィスの共用エリア活用」や「バリスタを通じたコミュニケーション創出」、「総務と人事の役割分担」について議論が交わされました。

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  • 加藤 健二 氏

    加藤 健二 氏

    明治ホールディングス株式会社 リスクマネジメント部 総務グループ

    2007年に明治製菓(当時)に入社。お菓子部門の担当を経て、約1年間の調査業務、本社側での工場管理や生産関連業務などを経験。多様な現場を知る立場から、本社オフィスの1階食堂エリア改修および共用エリアの活用プロジェクトを担当している。

  • 青柳 智士 氏

    青柳 智士 氏

    株式会社Garden 代表取締役

    元IT企業(現カルタホールディングスグループ)にて人事や「働きがいのある会社」推進などを担当。現在は大手ディベロッパーや企業(約300社規模の導入・支援実績)へオフィスカフェやコミュニティの企画・運用を提案。「コーヒーやオフィスカフェをコミュニケーションツールとして捉え、経営・人事課題にアプローチする」取り組みを展開している。

  • (モデレーター)大前 敬文

    (モデレーター)大前 敬文

    株式会社フロンティアコンサルティングのR&Dチーム所属。オフィス担当者向けリサーチネットワーク「Worker’s Resort」をはじめ、伊豆大島のコワーキングスペース「WELAGO」の運営、新規事業であるオフィス運用支援サービスなどを幅広く担当。

【導入】ハードの構築から、その先の「運用」へ

大前(モデレーター)  本日は、明治ホールディングス様のご厚意により、リノベーションされた食堂空間をお借りしてトークセッションを開催いたします。

当社はオフィスデザインやリニューアルを手がけていますが、近年多くの企業様から「オフィスを作った後、効果的にどう使えばよいか」「運用のフェーズで悩んでいる」という声をいただきます。

従来は総務の皆様が窓口となって推進することが多かったオフィス構築ですが、現在は「どう使いこなして効果を出すか」という観点から、人事領域や経営戦略からのアプローチも非常に重要になっています。本日は、明治ホールディングス加藤様と、株式会社Gardenの青柳様のお二人から、現場のリアルなお話を伺っていきます。

【明治ホールディングス】食事の時間以外も「人が集まる空間」を目指した食堂改修

昼食時以外は使われない「ただの部屋」からの脱却

大前(モデレーター)  明治ホールディングス様では、本社1階の食堂エリアのリノベーションを進められていますね。改修前の課題や狙いについてお話しいただけますか?

加藤(明治HD)  改修前の大きな課題は、「昼食の時間帯以外は全く使われておらず、ただの空き空間になっていた」ことでした。空間の使い勝手や見え方の面でも閉塞感があり、せっかくのスペースを活用しきれていなかったのです。

そこで今回のリノベーションでは、食事の時間だけでなく「勤務時間を通じて社員が立ち寄り、移動や作業ができるスペース」として空間を再定義しました。

具体的には、1人で集中できる席や、カジュアルな打ち合わせができるファミレス席を設けています。また、コミュニケーションのきっかけとして、「卓球台」を用意するなどの遊び要素も取り入れました。

さらに明治らしさとして、食堂内に自社製品(『明治プロビオヨーグルトR-1』など)を社員向けに提供するスペースを用意しています。「自社製品を受け取りに行く」という目的で社員が自然と食堂へ足を運ぶ動線をつくることで、オフィス内で人が立ち寄り、行き交うきっかけを生み出しています。

リニューアル後の変化:ランチタイム以外での利用増加とコミュニケーション活性化

大前(モデレーター)  実際にリニューアルされてから、食堂の使われ方や雰囲気に変化はありましたか?

加藤(明治HD)   リニューアル後は、食事以外の時間帯もかなり活用されるようになりました。個人ブースでWEB会議をしたり、ファミレス席で打ち合わせをしたりする姿が日常的に見られるようになっています。

単に休憩するだけでなく、ふらっと立ち寄ってちょっと雑談する社員も増えたことで、スペースの稼働率も上がりましたし、交流のきっかけが増えたなと実感しています。

今後の展望:イベントや他部門とのコラボレーション

加藤(明治HD)  現在はハード(空間)が整ってきた段階ですので、今後はこのスペースをいかに活用していくかがテーマになります。

具体的な構想として、明治の強みである「チョコレート」と「コーヒー」のペアリング施策や、社員向けに美味しいコーヒーの淹れ方や豆の選び方を教えるワークショップなどを企画したいと考えています。

「出社率を上げてほしい」という切実な課題と150人の壁

大前(モデレーター)  続いて、約300社でコミュニケーション施策やオフィスカフェ等の支援を行われている青柳さんにお伺いします。オフィスカフェが組織に与える影響についてどうお考えですか?

青柳(Garden)  コロナ禍以降、さまざまな企業様からご相談いただくなかで一番多かった課題は、「出社率の向上」でした。しかし、単に「出社してください」と促すだけでは人は集まりません。いま求められているのは、オフィスを作業する場から「行きたくなる場所」「交流が生まれる集会所」へと再定義することです。

全自動コーヒーマシンや自販機などは、単なる「喉を潤す設備」になりがちですが、そこに会話のきっかけ(人の介在)をつくり出すことで、空間は「対話の拠点」へと変化します。

社員数が150人を超え組織が大きくなると「他部署の顔と名前が一致しない」という問題が起こりがちです。誰もが立ち寄れる共通の場所をつくることは、出社する理由になるだけでなく、組織の一体感を育むうえでも大きな効果を発揮しています。

バリスタ=斜めの関係を築く「コミュニティマネージャー」

青柳(Garden)  バリスタの役割は、単にコーヒーを提供するだけではありません。社員一人ひとりの顔や名前を覚え、「お疲れ様です」「今日もお忙しそうですね」と声をかけることが重要です。

上司や人事といった直接的な関係性ではなく、第三者であるバリスタという「斜めの関係」だからこそ、社員が日常のちょっとした愚痴や嬉しい出来事を話しやすくなります。いわば、バリスタが社内の「コミュニティマネージャー」として機能することで、安心感のある居場所が作られていきます。

なお、オフィスカフェを導入・運用する上では保健所や法的なハードルにも注意が必要です。あまり知られていませんが、無許可で外部の人間が会社に来て1日だけコーヒーを振る舞うようなイベントを行うのは営業許可の観点から違法になってしまいます。

一方で、「自社の従業員が社員に淹れて振る舞う」ことや「外部の人間がコーヒーの淹れ方を教えるワークショップ」であれば問題ありません。いきなりプロのバリスタによる常駐運用は難しいという場合でも、ワークショップなどを通じて社員ご自身が「バリスタ役」となってコーヒーを淹れて振る舞うスタイルを取り入れることで、同僚や他部署のメンバーとの間に部署を超えたよりフラットで温かいコミュニケーションが生まれます。

上司や人事といった直接的な業務上の関係性とは異なる「斜めの居場所」や「お互いを知るきっかけ」ができることこそが、コミュニティ醸成における本質的な価値だと感じています。

【議論】オフィス運営における「総務」と「人事」の連携

「守り」の総務と「攻め」の人事の協働

大前(モデレーター)  総務の日常業務は維持管理など『マイナスをゼロにする(守り)』が多くなりがちですが、コミュニティづくりといった施策には『ゼロをプラスにする(攻め)』アプローチが求められます。

思考やリソース面で総務単体での推進に難しさもある中、オフィスの運用における『総務と人事の役割分担』について、皆様はどのようにお考えでしょうか?

加藤(明治HD)  社内施策として、グループ会社(MBS)のチャレンジ雇用枠(障害者雇用)のチームと連携し、社内でコーヒーを淹れる取り組みやバリスタ的な雇用・運用の場を作れないかといったコラボレーションを模索しています。単に場所を提供するだけでなく、人が動くイベントや企画を仕掛けていきたいですね。

また、人事主導の取り組みとして、今年度、職場のエンゲージメント向上を目指す「風土醸成チーム」を立ち上げました。ここには明治HD内の各部署から有志が参加し、様々な施策を検討しています。

例えば、フリーアドレス制の中で「隣にいる人がどこの部署の誰か分からない」という課題に対して、明治グループの商品をあしらった名札を作成し、グループへの愛着深化とコミュニケーション課題の解決を同時に狙うようなアイデアも上がっています。

今後は、この「風土醸成チーム」から出されたアイデアを総務が預かり、具体的な形へと落とし込んでいく運用フローを想定しています。

青柳(Garden)  社内施策の検討時にも、総務主導の場合は「リスク管理・衛生面・運用費」が主な議論になり、人事・経営主導の場合は「採用力向上・離職率低下・エンゲージメント」が議論になります。

どちらか一方だけに寄せるのではなく、総務が安全面や運用インフラの基盤(守り)を支え、人事が組織開発や動機付け(攻め)の企画を担うような、総務と人事のタッグ体制を作ることが成功の鍵になります。経営層への上申にあたっても、現場のビジュアル(右脳)と、採用力や離職率への効果といった定量的・理論的なアプローチ(左脳)の両方を揃えて提示することが有効です。

おわりに

トークセッション終了後には、参加者が明治ホールディングス様の本社執務エリアや食堂を巡るオフィスツアーが実施され、その後の交流会では軽食を囲みながら参加者同士で活発な意見交換が行われました。(実際に明治ホールディングス様のオフィスの様子をご覧になりたい方は記事をご覧ください)

オフィスを「単に作業をする場所」から「対話が生まれる場所」へ変化させるには、空間設計だけでなく運用上の工夫や総務・人事の連携が重要です。今回のイベントを通して、明治ホールディングス様には社員の繋がりや働きやすさを形にした素晴らしい職場環境がすでに実践されていると改めて実感しました。

ハード面だけでなくイベントや社内連携といったソフト面の運用も動き出しており、今後もより一層魅力的な環境へと進化していくことが期待されます。魅力的な環境で生き生きと働ける同社での働き方に、ぜひ注目してみてください。

フロンティアコンサルティングは、今後も働く場所の未来に向けた情報発信とサポートを続けてまいります。

▼ 明治ホールディングスについて詳しく知りたい方はこちら

【今後イベントに関するお知らせ・ご案内】

フロンティアコンサルティングでは、今後もオフィスツアーを兼ねたトークイベントを定期的に開催・主催していく予定です。

「他社のオフィスマネージャーや総務・人事担当者とこれからの運用について語り合いたい」「自社のオフィス構築のこだわりやカルチャーを外部にアピールしたい」というご希望をお持ちの企業様や、「自社のオフィス空間を活用したイベント開催・共催」にご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご連絡・ご相談ください。

お問合せ先:workersresort@frontierconsul.net

本記事はリサーチコミュニティ会員限定記事です。

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