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海外では通じない 日本式ミーティングにおける10の問題点

[July 03, 2018] BY Brandon K. Hill

「で、このミーティングって意味あったんでしょうか?」先週の日本出張でのクライアントとの会議の際に思わず言ってしまった。自己紹介と、会社の説明、その後は、ぼんやりとした仕事の内容を話し「この方向で検討していければ幸いです。細かい内容は担当者同士で。」で終了。次の具体的なアクションプランや期日も決めない状態ではどうしても不安になった。

というのも、アメリカだと会議の後に誰が何をするかとか、次のアクションとかが決まらずに終わるのは失敗とされ、商談がうまくいかなかったのと同じである。いや、日本とアメリカの会議の方式の違いに戸惑ってしまっただけで、どちらが良いとか悪いとかいう事ではない。しかし、久しぶりに日本で大企業との”典型的な”ミーティングに参加し、漠然とした違和感を感じた。

その具体的な要因を考えて行くうちに、今回の出張で偶然フライトが一緒になったRochelle Koppによる動画、”Surviving Japanese Meetings (日本式会議サバイバル方法)”にて紹介されていた「日本企業の会議は儀式」という表現がしっくりきた。

謎だらけの日本式ミーティング

おそらく海外の人からすると日本企業のミーティング方式は”儀式”と称されるほどに謎だらけだろう。その理由をまとめてみた。

参加人数が多すぎる

まず会議に参加する人数が異様に多い。そして参加者のその多くが何のために参加しているかが謎なケースがある。おそらく日本企業の会議にはメインのメンバー (1-2人) に加え、オブザーバー、研修中のスタッフ、情報共有目的の人、議事録係、そして”念のため”に参加している人たちがいるらしい。

一言も発しない人たち

そしてその参加者の中で会議中全く一言も発しない人もいる。アメリカでは参加人数は最小限に抑え、全ての人が発言するのが一般的。むしろ会議で発言しない = 仕事をしていないとみなされ、評価が下がり、最悪クビになるケースもある。しかし、日本の場合、役職や階級によっては、むしろ発言しない事がマナーとされているらしい。

5分で終わる内容を60分で

ミーティングの内容によってはすぐに決まる事柄もある。しかし、会議室を60分抑えていることもあり、予定より短い時間で終わらせるのは失礼になる。したがって、きっちり60分かけて会議を行う。まあ、残りの55分は世間話に近い内容になってしまうけれども。

何も決まらない

驚くべきことに、物事を決定するための会議は意外と少ない。その良い例として、締めのフレーズは「ではお話しした内容で検討します。」海外でこう言われたら9割の確率で破談だと思っても良い。しかし日本の場合は、その後もしっかりと話が進み、商談が成り立つという。

ほとんど話さない重役

会議の中で物事が進まない理由の一つとして、決定権を持つ重役があまり言葉を発しないところにある。メインで話すのは担当者で、むしろ重役はあまり言葉を発しなくて良いのが優れた会議の一つのバロメーターになっている。もちろん進行役も別の人間が行うため、気をつけていないと一体誰が決裁権を持っているのかを見失う事がある。

繊細な座席指定

日本に行ってクライアント先などでのミーティングの際にはスタッフに「そっちじゃなくて、そっちに座ってください」と言われる事が多い。いまいちどこに座っていいかわからない。どうやら日本には会議室にも座席指定があるらしい。

名刺交換に15分

会議のスタートは名刺交換から。これは世界的に有名な日本式ビジネスマナーである。でも参加人数が多いと名刺交換だけでかなりの時間を要する。例えば、一組の名刺交換に30秒かかったとして、これが5×5、合計10人のミーティングだと、単純計算で名刺交換だけで12.5分を要する。もちろんこの人数が増えれば増えるほどそれにかかる時間も増える。

急用で来れなくなりました…

律儀で丁寧な事で知られる日本人であるが、自分の経験ではミーティングに急遽参加できないメンバーが出てしまうケースが少なくない。そもそも事前に予定していた参加人数が多いことや会議の数が多い事も理由だと思うが、参加できなくなった人がキーパーソンである事もある。その理由も「急な役員会議が入って」など、どうしてもプライオリティ下げられてるな、と思ってしまう。

今までで一番最悪だったのは、アメリカから日本のとある地方都市に20時間ほどかけて会いに行ったら、メインの方が急に参加できなくなり、結局その会社の展示エリアを見せていただくだけでその旅が終了したケース。これはもっと重要視してもらえるように努力しようとの自戒を込めての例である。

アジェンダ?そんなのカンケーねー

会議の大まかな目的が決まっていたとしても具体的なアジェンダが決まっているケースは意外と少ない。誰が何のために何をどのくらいの時間で話すのか、それだけでも箇条書きで決めておくだけでかなり効率的に進められるのであるが、多くの場合は会議の議題しか決まっていないケースがほとんど。

ビジネスは会議室で起きてるんじゃない!

そして、今回の出張の際における会議で最も心配だったのが、果たしてこれでちゃんとビジネスとして話が進むのであろうか?という点。具体的なアクションプランが提示されず「前向きに検討します」で締めたため、思わず自社担当に「え、これで大丈夫?」と聞くと「はい。続きは担当者同士で詳細を詰めておきます」との事。おそらく大丈夫だとは思うが、どうやら日本では、会議ではざっくりディスカッション > ビジネスの本筋は担当者同士で、が一般的らしい。

なるほど、ビジネスは必ずしも会議室で起きているわけではないようだ。むしろ、事前の根回しと事後の調整が最も重要で、会議自体はある種の儀式であるのかもしれない。

実はアメリカでも会議の半分は無駄とされている

日本企業は会議が多いイメージがあるが、実はアメリカでも似たような状況になっている。従業員一人平均で毎月62時間が会議に費やされ、実にその半分が無駄だとされている。これは月計算で31時間にも及び、国全体では無駄な会議によって年間370億ドル相当の時間の損失になるという。

効果的な会議を行うための8つのポイント

ではどのようにすればより効果的なミーティングになるのであろうか?以前に「日本がシリコンバレーに100倍の差を付けられている1つの事」で、シリコンバレーの意思決定のスピードの速さについて紹介したが、その秘訣の一つが会議の仕方にあると考えられる。極力無駄を省き、できるだけ効率的に会議を進めるための8つのポイントを紹介したい。

1. 会議を行う究極の目的はたった2つ

どんな事柄でもすぐに会議に持ち込みがちであるが、無駄にならない会議にするためには、その目的は下記の2つに絞るべきである。

  1. 重要事項のディスカッション
  2. 重要事項の意思決定

これら以外はメールやチャット、個別の会話などでより効率的に行う事が望ましい。

2. 事前に具体的なアジェンダを設定

会議の具体的なタイムテーブルを事前に決めておくのが望ましい。例えば理想的には、

  1. 自己紹介10分
  2. プロジェクト概要15分
  3. 気になる点に関してのディスカッション20分
  4. アクションプランの決定10分

など、箇条書きでそれぞれのトピックとそれに要する時間を事前に決め、カレンダーなどの記載しておく。

3. リーダーをアサインする

アジェンダを設定したら、その会議のリーダーを決める。リーダーはそれぞれの項目に関しての時間の管理をし、リアルタイムで議事録を画面に映しながらまとめる。以前の「効率を上げるシリコンバレー流ワーキングカルチャーとは?【対談】」でも語られている通り、アメリカの企業だと、この役割は新人ではなく重役が行うケースが一般的。

4. 参加人数を合計で4-7人に抑える

参加した人たちが全員内容にフォーカスできる最適な人数は4人から7人。例えば社外から参加するメンバーが3人だったとしたら、社内からの参加者は4人以下に抑える事で、より密なディスカッションが行える。

5. 費やす時間はなるべく短く

たとえ会議室を60分抑えていたとしても、もし10分で目的が果たせたとしたら、その時点で終了にする。これは全く失礼ではないし、むしろ参加者の時間の節約につながるので、かなりのGood Job. 残りの50分をダラダラと話していても時間の無駄になるだけ。

6. なるべく会議中はデバイスを使わない

メモ取りなどの目的でついついパソコンやスマホを会議室に持ち込みがちであるが、会議中もメールやSNSがガンガン入ってくるので、会議に集中できない。むしろ、会話中にパソコンをいじられると、話している人に失礼になる。できるだけデバイスを持ち込まないのが良い。

7. たまには会議室の外で

ミーティングの趣旨によっては、あえて会議室で行わない方が良いケースがある。例えば担当者のデスクでカジュアルに話したり、場所を近くのカフェや公園にする事で、よりリラックスした雰囲気でのディスカッションができたりする。アメリカの場合は、出社前のブレックファーストミーティングもかなり一般的である。朝の限られた時間にフレッシュな状態で話す事で時間の有効利用が可能になる。No Morning, No Life. 早起きすれば一日が25時間になる?

8. 締めの10分で次のアクションプランを決める

ミーティングにおいて最も重要なのが、その後のアクションを決める事。アクションプランなしの同意は社交辞令と大差ない。参加したメンバーの一人一人が自分が次に何をすべきかをしっかりと理解し、締め切りベースのタスクに落とし込む事で会議の本当の成果が生まれる。

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

*本記事はfreshtraxより転載いたしました。

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この記事を書いた人

Brandon K. Hillサンフランシスコ州立大学デザイン科卒。サンフランシスコと東京に拠点を持つエクスペリエンスデザイン会社btraxのFounder兼CEO。グローバル市場向けのイノベーション創出をミッションに、ブランディング、サービスデザイン、UXデザインサービスを提供。これまでの10年間に200社以上にサービス提供。

    

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