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オフィスワーク vs. リモートワーク 経営者6人が持つ今後のオフィス展望

コロナ時代のオフィス展望を6人の起業家が語る。

収束の目処が立たないコロナに対し、多くの企業がワークプレイス戦略を見直している。しかし、各社オフィス事情が異なることから、その取り組み内容は様々だ。今回は、アメリカでビジネス情報を発信するInc.が6人の起業家のコロナ時代のオフィス展望をまとめた記事が興味深かったため、その内容を一部抜粋して紹介する。

ソフトウェア&プログラミング企業 Mediavaletの創設者兼最高経営責任者 デイビット・マクレーン
「コロナ感染拡大後、私たちの成長計画とオフィススペースに関しては大きな変化があった。感染防止のため60人以上の従業員へ在宅勤務を命じ、オフィスを再稼働したとしてもオフィス出勤は要求せず個人の選択に委ねる予定でいる。オフィス展開計画に関しては、当初会社の成長に合わせてオフィスを約743㎡から約1858㎡まで拡大することを考えていた。だが計画は変更し、最低でも半数の社員がリモートワークで働ける環境を整える予定だ。皮肉にも今日チームの生産性は以前よりも上がり、多くの従業員は通勤時の負担が減ったことを喜んでいる。」

医療コンサルタント KMC Universityの創設者兼最高経営責任者 キャシー・ウェイドナー
「すでに仕事の8割をバーチャル化し、ほとんどの従業員が在宅業務を行っている。2016年にオフィスを用意し、一時期は最大7名の従業員が働いていたが、2名への縮小のタイミングで物件売却を検討。2020年1月には2名の従業員をバーチャルオフィスに移行し、3月には社員全員を在宅勤務にした。最終的にオフィスを売却することにしたが、その結果生産性を下げずに約500万円のコスト削減を見込んでいる。」

アクセサリーブランド Rastaclatの最高経営責任者 アイリーン・シマンスキ・チェン
「コロナ前はオフィスデザインの担当者を雇い、オフィスを更に約650㎡拡張する予定だったがコロナ感染拡大後はオフィス空間の不要さを感じ、大幅なオフィス縮小を図った。その結果全従業員に対しリモートワークを導入し、3年間のオフィス賃貸契約を2020年9月15日に終了することにした。ただ残念なことに、より早い段階での契約終了や自主隔離中の何かしらの譲歩は大家に認めてもらえず、誰もいないオフィスの賃料を払い続けなければいけない。」

「手短に話すと、約949㎡のオフィスの代わりにコアワーキングの利用を図ることで月々110万円のコスト削減に成功。更にオフィスの備品や電気代等の浮いた経費は従業員のリモートワーク環境の整備へ回す予定だ。」

ウェブソフトウェア企業 Synapse Studiosの責任者 クリス・カーディナル
「コロナ前はリモートワークする従業員は2名のみ、残りの42名はタンパとアリゾナにある2つのオフィスに分かれていた。だがコロナ後、全従業員にリモートワークの許可を与えた。今後はオフィス勤務は強要せず、個人の選択でリモートワーク可能にしたが多くの従業員はフルタイムでなくともオフィス勤務を希望している。個人的には従業員がフル活用していない2つのオフィスに賃料を払うことに懸念はあるが、少なくともメインオフィスはそのまま契約を継続、支店に関しては2021年8月で契約終了予定だ。コロナのワクチンがあったとしてもこのオフィスを維持することが理にかなうことはないと見ている。」

アプリ開発事業 Blue Label Labsの共同創設者兼最高執行責任者 ジョーダン・グリエッリー
「設立当初から10年間会社の文化として完全リモートワークを行っていたので働き方への影響は少なかった。たとえ出張の減少や対面の機会が四半期の会議や顧客向けイベントのみと減少してもリモートワークを継続する予定だ。更にコワーキングスペースも一応用意していたが、あまり価値がないと考え、定期契約ではなく使用時に支払いをする形式に変えてコストを削減する予定だ。」

不動産広告会社 Dominus Commercialの最高経営責任者 ステファン・ラムレ
「商業不動産を取り扱っていることから、オフィス空間にも異なる観点を持っている。都市封鎖の間は全従業員が在宅勤務を行っていたが、建物管理も行うため、現地に出向かなければならないこともあった。数人はオフィス勤務を選択したが、現在その選択は従業員に委ねている。最終的には在宅勤務を行っていた従業員も問題ないと感じればすぐにオフィスに戻ってくるのではないかと予測している。」

「オフィスの縮小を検討する意見が増える中で、私たちの場合は完全に反対意見だ。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は各デスクごとに最低6フィート(約2m)の間隔をあけることを推奨しているため、更なるオフィススペースの確保、特に複数の社員が利用する会議室・休憩室・共同スペースは拡張が必要となるだろう。全体的にテナントから来る情報もこの点は一貫している。会社もCDCの推奨を無視して、法的責任や保険の問題に巻き込まれたくはないのだ。」

この記事を書いた人:Stefanie Saki Kinjo