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コロナ禍、福利厚生のトレンドを追う! キーワードは「子育て・介護」「女性向け」「オンライン」、その中身は?

[February 15, 2022] BY Ayumi Ito

時代のニーズに合わせて変わる福利厚生

コロナ禍によって人と身体的距離をとり、マスクを着用するといったニューノーマルな生活様式が浸透した。これに伴い、テレワークやワーケーションの導入、フレックス制や時差出勤など、働き方もますます多様化している。そんななか、企業が従業員やその家族に対して提供する福利厚生制度の内容も、時代のニーズに合わせる形で変わってきている。

そこで今回は、なかでも関心が高い「子育て・介護世代」「女性向け」「オンライン」をキーワードに、注目の福利厚生サービスを紹介する。

子育て・介護世代向けの福利厚生サービス

働き盛りの世代は、子育てや介護などに直面する世代でもある。企業の中核を担う中堅社員が、家族に関わる課題を理由に離職を余儀なくされたり、金銭的・肉体的に過度な負担を抱えたりすることが社会問題にもなっている。

育児休業や介護休業などの制度もあるが、近年は具体的な課題の解決をサポートするようなサービスも見られるようになってきた。ここでは、そのなかから以下の2つを紹介する。

1.株式会社TPO「ユア・コンシェルジュ」

TPOが提供する「ユア・コンシェルジュ」は、仕事以外の生活課題を解決するコンシェルジュサービスだ。

同サービスを導入した企業の従業員は、子育てや介護、心身の不調など、様々な悩みをTPOのコンシェルジュに相談できる。相談を受けたコンシェルジュは、相談者の居住地域で利用可能な制度やサービスの情報を収集するなどして、複数のアイデアを提示。時間的・心理的な負担の軽減に寄与することで、従業員のプライベートの充実を支援する。

相談は、対面、チャット、電話、メール、オンライン会議サービスの「Zoom」など、多様な形式で対応している。希望があれば、企業にコンシェルジュが常駐することも可能だ。

さらに、「ユア・ウェルビーイング プログラム」として、経済産業省が管轄する「健康経営優良法人」の認定項目にある「職場での運動」「ヘルスリテラシーの向上セミナー」「女性特有の健康課題セミナー」「生産性低下防止セミナー」に対応した各種プログラムを提供。テレワーク下の従業員の心身のコンディションを整え、企業の健康経営に貢献する取り組みも行っている。

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2.株式会社Kids Public「小児科オンライン」

Kids Publicの「小児科オンライン」は、子どもに関する悩みや心配事について、LINEや電話で現役の小児科医に相談できるサービスだ。相談の対象となる子どもの年齢は0歳~15歳、利用可能時間は平日の18時〜22時まで。急な発熱や気になる症状、ケガ、食事のケア、発達、不登校など、子どもを病院に連れていくべきかどうかの判断を含め、保護者の相談に専門家が対応する。

事前に予約すれば待ち時間が発生しないことも、子育てと仕事との両立で忙しいワーカーにとって大きなメリットとなっており、実際に様々な自治体や企業が導入している。また、同社では、妊娠中~出産後の悩みや疑問を現役の産婦人科医や助産師に相談できる、「産婦人科オンライン」も提供している。

女性の悩みに寄り添う福利厚生サービス

少子高齢化が進み、労働力人口が減少していく日本において、女性のさらなる活躍推進は喫緊の課題と言える。女性にとって働きやすい環境を実現し、望まない離職を未然に防ぐため、女性の悩みに寄り添う福利厚生サービスを導入する企業も増えている。

1.株式会社ファミワン「妊活LINEサポート・ファミワン」

妊活LINEサポート・ファミワン」は、不妊症看護認定看護師を中心に、臨床心理士、助産師、培養士、ピアカウンセラーといった妊活の専門家がLINEで相談を受け、アドバイスや情報提供を行うサービスだ。

法人向けの妊活・不妊治療福利厚生サポートでは、妊活に取り組む従業員に対して個別サポートを行うほか、管理職や従業員を対象としたセミナーを開催。妊活や不妊治療に関わるテーマはもちろん、女性ならではのトラブルである月経痛やPMS(月経前症候群)、 更年期など幅広いテーマを取り上げ、企業風土を変えるための取り組みも行っている。

2.株式会社TRULY「TRULY」

TRULY」は、女性ホルモンの変化によって生じる 「更年期」「膣ケア」「性の悩み」 といった女性特有の課題に寄り添い、正しい情報を伝え、悩みに応えるオンラインサービス。

男性にも更年期があり、相互理解も重要であることから、法人プランでは男性と女性の両方を対象としている。「男女のホルモンに関する正しい情報を提供し、男女の性やキャリア、ライフにまつわる不安を解消すること」をミッションに、「知る」「調べる」「相談する」の3つのステップを設定し、その実現を目指す。

具体的には、「知る」のステップで、女性医師や専門家によるヘルスケア関連のセミナーや動画、記事を提供。次の「調べる」では、医師や専門家が監修するツールを使って、現在の心身の状態をセルフチェックする。最後の「相談する」のステップでは、チャット機能を使って実際に医療の専門家に相談できるという。

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オンラインを活用した福利厚生サービス

コロナ禍によって、社内イベントなどで従業員が一堂に会することが難しくなっている。そこで注目されているのが、オンラインを活用した福利厚生サービスだ。従業員だけではなく、家族が一緒に参加できるプログラムも多く、関心が高まっている。

1.株式会社ベネフィット・ワン「ベネフィット・ステーション」

ベネフィット・ステーション」は、中小企業から上場企業まで1万3000社を超える企業が導入している福利厚生サービスだ。提供するサービスの数は140万種類以上。会員はもちろん、その配偶者とそれぞれの二親等以内の親族も利用でき、旅行やレジャー、グルメ、資格取得、育児、介護など、幅広い分野で優待割引が受けられる。

変化する働き方に合わせてサービスも進化しており、ニューノーマルなライフスタイルにもフィットした福利厚生を受けられると注目されている。オンライン上で受けられるフィットネスサービスやフードデリバリーサービスの優待割引のほか、自己啓発や教育・研修を目的としたeラーニング講座も人気だ。また、オンラインセミナーやイベントも充実しており、片付けの方法や占いなど多彩なテーマを扱っている。

2.株式会社エイチ・アイ・エス「オンライン体験ツアー」

旅行大手HISの「オンライン体験ツアー」は、社員旅行や海外視察、セミナーなど、コロナ禍で実施が難しいイベントをオンラインで疑似体験できるサービスだ。

72の国と地域を扱っており(2021年3月時点)、社内イベントとして世界一周ツアーや工場見学ツアー、料理レッスンツアーなど様々なオンラインツアーを実施している。チームビルディングの要素を加えたり、お土産の手配を依頼したりと、目的に応じたカスタマイズも可能だ。テレワークで不足しがちな従業員間のコミュニケーションの活性化にも役立っているという。

3.株式会社hobbys「ホビーズ」

ホビーズ」は、大阪市高速電気軌道株式会社(大阪メトロ)と協業し、従業員とその家族が一緒にオンラインで参加できる体験型イベントを提供している。もともとは個人向けのサービスだったが、問い合わせが急増したことから、2021年9月に福利厚生サービスとして法人プランをスタートした。

特徴は、体験に必要な道具のレンタルサービスを組み合わせている点にある。事前に道具が自宅に届き、Zoomでレクチャーを受けた後、実践する流れだ。そば打ち体験や燻製体験、フラワーアレンジメント体験など、プログラムはその道のプロと共同で開発。自宅で家族と一緒に参加でき、オンラインでも双方向のコミュニケーションを楽しめる。

現在の福利厚生はニーズに合っている?

ワークライフバランスの観点からも注目される、福利厚生制度。働き方や生活様式が変わるなかで福利厚生に対するニーズにも変化が生じ、新たなサービスが誕生している。

従業員が必要とするサービスをうまく取り入れ、社内コミュニケーションを活性化させたり、健康面やライフスタイルに合わせたサポートで安心して仕事に打ち込める環境を整えたりすることは、そのまま企業の成長や優秀な人材の確保につながるだろう。現在の福利厚生制度がニーズに合っているか、企業として目指す方向性に沿っているか、見直すべき時が来ているのかもしれない。

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この記事を書いた人

Ayumi Ito フォトエージェンシーやITベンチャー企業などでの勤務を経て、2019年よりフリーライターに。企業の転職サイトやWebコラム、経営者のインタビュー記事の執筆をメインに活動中。



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