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雑音の悩みを軽減!「集中」を生み出すオフィスファーニチャー

[June 23, 2022] BY Nanako Hiranaga

「交流」と「集中」のバランスをどう保つ?

オフィス内でのコミュニケーションには、チームビルディングやスムーズな情報共有、新たなアイデアの創出などが期待され、業務の効率化や生産性の向上においても欠かせないものだ。しかし、リモートワークやハイブリッドワークなどで出社する機会が少なくなると、従業員間でのコミュニケーションも減りやすい。そこで、出社時に会話が自然に生まれるようにデスクの配置を変更したり、コラボレーションスペースやラウンジエリアを設置したりと、オフィスのデザインを工夫する企業も見られる。

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誰とでも気軽に接点を持てるオープンなオフィスは、コミュニケーションの促進には効果的だが、作業に集中したいときや一人でじっくり考えたいときには最適な場所とは言えない。特にリモートワークを経験した従業員が、出社時も自宅で作業しているときのように一人で集中できる時間を確保したいと思うのは無理もないだろう。コミュニケーションを促すスペースと同様に、集中のための場づくりの重要性も見直されている。

人は、作業に集中するまでに23分ほどかかると言われており、誰かに話しかけられるなどして作業を中断されると、再び同じ集中状態に戻るまでにも同様の時間を要してしまう。とはいえ、集中用の個室を新たに設置するためには、消防設備はもちろん、空調(湿・温度や匂い対策)や照明の計画も必要となる。

コミュニケーションを促す場は活用しつつ、一人で集中できる時間も確保したい。そんなときに役立つのが、手軽に集中スペースをつくり出せるオフィス用のファーニチャーだ。

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集中できる空間をつくり出すオフィスファーニチャー

周囲の雑音を軽減して作業に集中できる空間は、Web会議用のスペースとしてのニーズも高い。ここでは、セミクローズド型、個室型のオフィス家具に加え、持ち運び可能なツールを紹介する。

1. セミクローズド型

周囲の気配を適度に感じながら作業に集中できるのが、セミクローズド型の大きな特徴だ。完全に仕切られているブースと比べると遮音性は下がるが、気軽に設置できるのはこのタイプだろう。

・プラス株式会社「S1 パネルチェア」

(画像はプラス株式会社のWebサイトより)

プラスの「S1 パネルチェア」は、周囲の目を気にせず作業ができるワークラウンジチェアだ。背の高いパネルで背面と側面を囲うデザインを採用しているため、機密性の高い文書を開いていても後ろから覗かれる心配はない。チェアの足元にはコンセントが設置され、付属のクッションは体勢に合わせて位置を変えられる。座面自体も疲れにくい設計になっており、長時間の作業が可能だ。

・株式会社オカムラ「drape」

(画像は株式会社オカムラのWebサイトより)

オカムラが販売する「drape(ドレープ)」は、仕切りに吸音効果のあるグラスウールを内蔵したパネルを採用している一人用のワークブースだ。パネルの厚みは30mmとスリムなデザインで、気になる視線だけではなく周囲から聞こえる音も和らげ、作業への集中を促す設計になっている。

2. 個室型ブース

周囲が壁に囲まれ、遮音性に優れている個室型ブース。「フォーンブース」とも呼ばれ、Web会議用のスペースとしても活用されている。設置する際に消防への届け出や工事が必要になるケースもあるため、事前に確認しておきたい。

・コクヨ株式会社「WORK POD」

(画像はコクヨ株式会社のWebサイトより)

大きなガラス面が開放的な印象を与える、コクヨの「WORK POD(ワークポッド)」。遮音性に優れた強化合わせガラスを使用しており、周囲の雑音を気にすることなく作業やWebミーティングに集中できる。内部の空気循環と温度上昇抑制に配慮した設計で、計算上約40秒ごとに換気が行われ、熱もこもりにくい構造になっている。

・株式会社関家具「Milli」

(画像は株式会社関家具のニュースリリースより)

関家具の「Milli(ミリ)」は、狭い、天井が低いといった課題を持つオフィスでも導入できるよう、コンパクトにつくられている点に特徴がある。座って使用する「Sit」は高さが1980mm、立って使う「Stand」でも高さを2120mmにおさえている。キャスター付きで、オフィス内の移動が可能。また、組み立ても従来のモデルより簡易化され、わずか30分ほどで設置することができるという。

・Framery「Framery O」

(画像はFrameryのWebサイトより)

フィンランドのオフィスファニチャー企業・Frameryの「Framery O」は、世界トップクラスの遮音性を誇る個室型ブース。側面に防音ラミネートガラス、室内に吸音機能のある素材を使用することで、会話の内容が外に聞こえないレベルの遮音性を確保。Web会議時に気になるブース内の反響音にも配慮した設計になっており、換気性にも優れた製品だ。

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3. 持ち運べるツール

家具ではないが、集中力を確保する際に役立つツールも紹介しておきたい。どちらも持ち運びが可能で、オフィス内の好きな場所で利用できるのがメリットだ。

・コクヨ株式会社「QUNON」

(コクヨ株式会社のWebサイトより)

コクヨの「QUNON(キュノン)」は、卓上型のテレワークブースだ。作業スペースをパネルで囲む形状になっており、顔がおさまるサイズのサイドパネルとフロントパネルで、音源となるユーザーの口元もカバー。ブースの内側には吸音ウレタンを使用し、音に配慮した設計になっている。

・株式会社Shiftall「WEAR SPACE」

(株式会社ShiftallのWebサイトより)

Shiftallの「WEAR SPACE(ウェアスペース)」は、ヘッドフォンに周囲の視界を遮るパーテーションを組み合わせたウェアラブル端末。ノイズキャンセル機能が搭載されており、ヘッドフォンを装着する手軽さで作業に集中できる環境をつくり出せる。

発展途上にある、オフィスの雑音対策

今回は、オフィスの雑音対策に役立つオフィスファーニチャーを中心に紹介した。Web会議を行う機会が増えるなか、近年は遮音や防音だけではなく、音の反響についても考慮した製品が見られるようになっている。

例えば、音の反射を調整してノイズを軽減してくれる調音材内蔵のパネル「オーラルソニック(AURAL SONIC)」もその一つ。また、高い吸音性を持ちながらも薄型で加工がしやすい吸音材「iwasemi(イワセミ)」のような内装材も出てきており、今後もさらなるイノベーションが期待されるところだ。

働き方が多様化するなかで、高い生産性を確保するために、オフィスのあり方やデザインを見直す企業も少なくない。オフィス全体を変えるのは難しくとも、ニーズに合ったオフィス家具の導入であれば、比較的着手しやすいのではないだろうか。

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この記事を書いた人

Nanako Hiranaga 金融機関のオフィスコンサル、外資証券会社総務担当を経て、現在はフロンティアコンサルティング人事FM部所属。 社内のファシリティマネージャーとして空間・設備等のハード面だけではなく、ソフト面からもいいオフィスのあり方を日々検証している。



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