スタンディング対応も! リモートワークを快適にする、厳選ノートPCスタンド
[December 01, 2020] BY Rui Minamoto
ノートPC出荷台数の「記録的な伸び」
コロナ禍におけるリモートワークの普及に伴い、ノートPCのニーズが高まっている。
シンガポールに本部を置くアナリスト企業「Canalys(カナリス)」がまとめたレポートによると、2020年第3四半期の世界のパソコン出荷台数は、前年同期比12.7%増の7,920万台だった。この伸び率は過去10年において最大であり、多くの国がパンデミックに見舞われリモートワークへの移行が進んだ結果、パソコン需要が急増したと分析されている。
この調査で注目してもらいたいのは、パソコンの種類別の割合だ。ノートPCの出荷台数が6,400万台で全体の8割。この数値は、ノートPCの過去最高出荷台数である2011年第4四半期の6,460万台に迫っている。
ちなみに、通常のノートPCと、「モバイルワークステーション」と呼ばれる高度な処理が可能なノートPCを合わせた出荷台数は、前年同期比で28.3%増加。それに対し、デスクトップPCは前年同期比で26%減少したと報告されている。
全社一律でノートPCを導入したものの「一度も外に持ち出したことがない」、「常に机の定位置にある」という企業も以前は見られた。その理由としてあげられるのが、情報セキュリティの問題や、業務ごとの持ち運び頻度の違いなど。今回の未曾有の状況は、そうした事情を越えて会社のノートPCを社外で本格的に使用し、個人のノートPCをオフィスのデスクトップPC並みに稼働させる契機にもなっている。
ノートPC自体の負担も軽減!スタンドを使うメリットとは
社外で仕事をする状況が増えた今、ノートPCの作業環境をより快適にするツールを必要とする人も多いのではないだろうか。また、デスクトップPCからノートPCへの移行で増えるのが、肩こりや腰痛などの健康問題。これらの症状は、ノートPCの使用で目線が下がり、肩や腰が緊張してしまうことなどが原因で生じてしまう。
そこでおすすめしたいのが、ノートPCスタンドの活用だ。ノートPCスタンドのメリットとしては、主に以下の3つがあげられる。
1. キーボードの傾斜が変わり、タイピングしやすい
ノートPCを置く角度が変わると、自ずとキーボードの位置も変わる。肘を90度以上に曲げられるので、格段にタイピングしやすい。ブラインドタッチができるかどうか以前に、キータッチが作業効率を左右することを実感できる。
2. 体への負担が軽減される
ノートPCで一日中作業していると、首の痛みや肩こり、最終的には腰痛が出て仕事に集中できなくなることがある。その点、ノートPCスタンドを使えば、自然と背筋が伸びてモニターと目の高さが水平になるので、体に負担がかかりにくい。猫背が改善され、正しい姿勢もとりやすくなる。
3. ノートPCの熱暴走を防ぐ
底面を机から離すことで、ノートPCの放熱を促せることもメリットとしてあげられる。ノートPCの温度が上がって「熱暴走」状態になると、エラーが出たりフリーズしたりしてしまう。ノートPCスタンドは、自分の体だけではなく、ノートPC自体の負担も軽減してくれる。
パフォーマンスを向上させる、おすすめノートPCスタンド
さて、ノートPCスタンドと一口に言っても、現在では様々な商品が販売されている。今回は、「使用感」、「持ち運びや収納のしやすさ」、「デザイン」、「値段」などの観点から、おすすめのスタンドを6タイプ厳選して紹介したい。
1. シンプルで使いやすく、丈夫さが魅力の「LIFT UP-STAND BY ME」
(画像は株式会社アーキサイトのウェブサイトより)
最大約21cmまで画面を持ち上げられる、組み立て式タイプ。外付けのキーボードやマウスを併用すれば、視線を下に落とすことなくスムーズな作業が可能になる。
3mm厚のアルミ素材を使用しており、重いノートPCにも対応できる反面、堅牢で重量があるため、基本的にはデスクに固定して使用するとよさそうだ。筆者は同メーカーの商品を使っているが、使用しないときはスタンドの下に外付けキーボードを収納できる点が気に入っている。
2. モビリティと美しいデザインが同居する「MAJEXTAND」
(画像は株式会社コペックジャパンのウェブサイトより)
持ち運びしやすい、「貼るタイプ」のノートPCスタンド。自宅やカフェなど、社外で頻繁に使用する方におすすめだ。「世界最薄」を謳うだけあって、その厚さは1.7mm。ノートPCはスマートな見た目のままで、スタンドがついている感覚はほとんどない。
貼るだけですぐに使える手軽さに加え、7 〜12cmまで1cm単位で高さ調整できる機能性も人気の理由。価格は少し高めだが、検討する価値は十分にあるだろう。
3. ワークシーンに遊び心をプラスする「MOFTラップトップスタンド」
(画像はAmazonより)
「MAJEXTAND」と同じ貼るタイプだが、折り方によって角度を変えられる折り畳み式。MOFTのノートPCスタンドは、「デザインのオスカー賞」として名高い「iF Design Award」を受賞するほどの優れたデザイン性を持つ。
ラインナップも豊富で、ワークシーンに遊び心を加えたい方にはうってつけのブランド。重さは85gと軽量のため、移動の負担にもなりにくい。
4. スタンディングデスク機能を備えた「MOFT Z」
(画像はAmazonより)
MOFTのラインナップの中では、スタンディングデスク機能を新たに追加した「MOFT Z」にも触れておきたい。こちらは、ノートPCに貼り付けないタイプのスタンド。折り紙をヒントにした構造で、座り姿勢では25度、45度、60度の3段階で角度を調節できる。
25cmの高さに変形して机の上に置けば、立ち姿勢での作業も可能。スタンディングワークの時間を設けたいときや、スタンディングデスクがないオフィスでの活用もおすすめだ。
5. 体勢に合わせて自在に調整できる「KKaMM ノートパソコンスタンド」
(画像はAmazonより)
左右にそれぞれ3つのジョイントが取り付けられており、とりたい体勢に合わせて角度や高さの調整が可能。座った状態はもちろん、ソファやベッドで仰向けになった体勢でも作業できるのが特徴だ。
せっかくの在宅ワーク、アイデア出しなどリラックスしながら作業したいときにも便利なツール。モビリティは低いものの、安定性に配慮した構造になっている。
6. 持ち運びに便利な「mujina PCスタンド」
(画像はAmazonより)
上にパソコンを置くだけの、非常にシンプルなタイプ。重さは2つ合わせて45 gの軽量設計で、収納場所をとらず持ち運びにも便利だ。試しやすい価格帯なのもうれしいポイント。メインのスタンドとは別に、持ち運び用のサブスタンドとして使い分けるのもいいだろう。
ワークスタイルに合わせたスタンドの活用で、より快適な作業環境を
モビリティに優れたものから丈夫さを兼ね備えたものまで、パフォーマンスの向上に役立つノートPCスタンドを、6つのタイプに絞って紹介した。特に在宅での作業時は、移動などで体を動かす機会が減り、座りっぱなしの状態が続きやすい。長時間同じ体勢をとることによる健康への影響を考えると、スタンディングワークに対応するスタンドに関心が寄せられるのもうなずける。
自宅の執務環境の快適さは、デスクやチェアなどの家具によっても左右されるが、新しく揃えるにはそれなりの投資や労力が必要となる。その点、スタンドなら比較的取り入れやすいのではないだろうか。
最近では、テレワーク時代に合わせた商品やサービスの選択肢も増えてきている。今後もノートPCスタンドに限らず、各種ツールの動向に注目していきたい。
この記事を書いた人
Rui Minamoto女性誌のインタビューから経済誌の書評欄まで、幅広いテーマの取材・執筆を担当。近年は、広告・PRプランナーとして消費者インサイトの発掘や地方若者議会で「広報力養成講座」の講師も務めている。