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タスク管理ツール 「Trello(トレロ)」 を3年間使い倒してみた!~導入時に大切な3つのこと~

タスク管理ツールのTrelloを3年間実践で使い倒して感じた「導入に大切な3つのこと」について、具体的な利用方法と一緒に皆さんへ紹介していきます。

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タスク管理どうしてる?

ビジネスの現場では、数多くのプロジェクトが並走し、多くのメンバーが関わります。目的の明確化と情報の一元化を行い、効率よく仕事を行うためにはタスク管理がとても重要です。皆さんはどのような方法を導入していますか?数多くのタスク管理方法が確立されているなか、リアルタイムにタスクを共有できることから、デジタルの管理ツールを使用している方が多いのではないでしょうか?私達も2015年から3年間 、デジタルタスク管理ツールの「Trello」 を利用し続けています。今回はTrelloを使い倒した経験をもとに「導入に大切な3つのこと」を紹介していきたいと思います。

「Trello」とは?

「Trello」とは、カードを動かしながらタスクを視覚的に管理できるカンバン方式のツールです。壁面に付箋紙を貼るような感覚で、ドラック&ドロップで直感的に操作が可能。わかり易いインターフェースと、多数の外部ツール(Slack、Github、Salesforceなど)と連携したプラットフォームの構築により、サービスが充実していること。また、無料での利用範囲の広さも魅力的なことから、使用を開始しました。


画像はTrello HPより

「Trello」は、ニューヨークのFog Creek Software社の社内プロジェクトとして開発がスタートし、2014年にTrello Inc.として独立。2017年1月にオーストラリアに拠点を置くAtlassian(アトラシアン)が買収し、現在に至ります。Atlassianは、2017年11月16日に「Trello」の日本市場参入を正式に発表。2018年より本格展開をスタートする予定とのことです。アジア圏において日本での利用率は高く、急速に利用者が広がっていくことが期待されます。

その壱 ツールへのアクセスのしやすさは大切

デジタルツールサービスで必須となるIDとパスワード。沢山のIDとパスワードの設定を余儀なくされ、結果、パスワードを忘れてログイン出来ないという経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか?「Trello」ではGoogleアカウントでのログインと、ID・パスワードでのログイン(ID・パスワードの保存あり)の2種類があり、一度ログインすればその後はフリーでアクセス可能です。
最近では、このようなアクセス方法は当たり前になってきていますが、この当たり前のことが、デジタルツールを使用する際の重要な基準となります。効率化を図るためにツールを利用しているのに、入口(ログイン)でつまずいてしまっては本末転倒です。ただしアクセスする端末が変わった時には、ID・パスワードを再入力する必要があるため、ID・パスワードの管理方法は気をつける必要があります。またセキュリティの観点で考えると、「都度のID・パスワードの入力」する必要性を検討することも大事でしょう。私達は、端末へのアクセスセキュリティを高めて、ツールへのアクセスはストレスフリーという方法をとっていますが、そこは企業毎のセキュリティの考え方に則って選択していくことをおすすめします。

その弐 導入スタート時はゆるく

私達は「Trello」で年間2000件ほどのプロジェクトの進捗管理をしています。案件発生(未着手)から、提案中-対応・選定中―実施準備中―実施中―完了までの進捗が一目でわかるようにリスト管理し、保留案件や失注・消滅案件も記録として残して、その後の対策に役立てています。

上画像は「進捗別」のプロジェクト管理

 

しかし当初から、この管理方法でスタートしたわけではありませんでした。導入時は拠点毎で管理方法を検討し、一旦は好きなようにスタートすることにしました。そうすると、人数の多い拠点は「進捗別」のプロジェクト管理を行ったのに対し、人数の少ない拠点では「担当別」のプロジェクト管理と、考え方は大きく二分しました。一旦はそのまま二通りの管理方法で一定期間継続し、時期をみてそれぞれのメリット・デメリットを洗い出しました。

こちらは「担当別」のプロジェクト管理

「進捗別管理」

メリット:各プロジェクトの進捗が一目で分かる。

デメリット:担当別の仕事量を把握するには、ソートをかけて確認するひと手間が発生。

「担当別管理」

メリット:個人の抱える仕事量が一目で分かり、仕事の割振りがしやすい。

デメリット:案件進捗は、カード内機能のラベル管理となるため分かりづらい。また便利なメンバー設定機能を遊ばせてしまう。(個人別にリスト管理しているため使う必要がない。)

 

結果的に、せっかくの便利機能(メンバーの設定機能やソートによる情報絞り込み機能)を無駄にしていた担当別管理をやめて、進捗別管理で統一を選択しました。導入当初は操作方法の習得やツールの特徴把握に少なからず時間を要します。まずは面倒なルールは設けず、試行錯誤を認めてゆるやかにスタートさせること。そして、全体の管理のしやすさに向けてブラッシュアップさせていく、という進め方が浸透させるコツです。

その参 利用方法を広げてみる

タスク管理は、いつまでに何をどのように実行するかという進捗管理を主体とするため、管理方法が開始から完了までの一方通行になりがちです。私達は発展系の管理方法として部署内の取り組みを見える化し、相互通行によってPDCAサイクルを回す仕組みを実践しています。

日常業務の中で必要となった取り組みについて、企画から一旦運用に乗せるまでは比較的誰しもが行えることです。しかし運用後の振り返りや新たな課題への対応など、取り組みを継続化する難しさには皆さんも身に覚えがあるのではないでしょうか?私達は取り組みや仕組みの担当者と利用者を明確化し、下記のようなフローで陳腐化を防ぐようにしています。

オフィスを構築するために必要となる、建築基準法や消防法などの「法令チェックリストの運用」を一例に、どのような管理をしているか簡単にご説明します。

必要な取り組みとして企画に上がる → ②内容検討をする → ③実行する → 問題発生!→ ②内容検討する(再度)→ ③実行する → ④安定継続中 →→→ 法改正が発生!(気付いた人が、⑤要望あり!にカード移動させ要望記入)→ 担当者は内容を確認し、⑥要望精査中にカードを移動する → ②内容検討、もしくは、③実行中(簡単な要望であれば対策して)に移動といった流れです。

取り組みカードは左から右へ、右から左へと行ったり来たりしながら、内容を常にブラッシュアップさせていくので、継続的な改善が行われます。「Trello」が持つカンバン方式の特性(カードの現在位置が把握しやすい)を活かして利用方法を広げていくことで、更に使いやすいと感じてもらい、社内の浸透を促進するきっかけをつくることが重要です。

まるでレゴブロック!

「Trello」は、一言で表現すると、まるでレゴブロックのようなものです。とてもシンプルな構造で、発想次第でいろいろな遊び方(使い方)を模索できます。また少々あらく扱ってもデータが壊れず、変更履歴にそってバックデートできるなど、デジタルツールに慣れていない人達にとっても、分かりやすく使いやすいツールだと思います。

私達が導入時に大切にした3つの事を参考に、皆さんも「Trello」ユーザーになって、効率的なタスク管理をしてみてはいかがでしょうか?

2021年4月23日 追記:

2021年4月上旬、「Trello」で個人情報が閲覧できるといった情報がネット上で話題を集めました。
これは、カンバン方式でプロジェクトの進行管理をする「ボード機能」やToDoリストの閲覧範囲を「公開」と設定することが原因で起こったもので、Trelloを運営するAtlassianが公式ブログにて注意を促しています。

Trelloの公開範囲(Atlassian公式ブログより)

「Trello」の公開範囲は4種類存在し、それぞれ閲覧対象が異なりますが、「公開」以外を設定すれば、インターネット上で不特定多数の人が閲覧できないようになっています。なお新しいボードを作成する場合、初期設定は「チーム内に公開」(組織)であり、インターネット上で誰もが閲覧できる「公開」設定にしている場合は、ページ上部に「公開ボードは、インターネットに接続しているユーザーすべてが閲覧可能で、Googleなどの検索エンジンに表示されます」と注意喚起する文章が表示されます。

今回起こった要因として、ネット上で「閲覧設定の確認ミス」や、「『公開』を社内から見られるモード、『非公開』を自分だけ見れるモードと誤認したのでは」という声が上がっています。

「Trello」は手軽に利用できて大変便利なツールです。利用者自身が被害を被るだけでなく、加害者にもならないよう、いま一度共有設定を確認してご利用ください。

この記事を書いた人:Satoshi Ono

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