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自宅に社食が届く!テレワークに対応した「社食サービス」5選

オフィスにストックする置き型の社食サービスが人気だが、テレワーカーの食事支援はどうしたら良いだろうか。本記事では在宅勤務者向けの社食サービスを紹介する。

テレワークの従業員にも食事の支援を

従業員のウェルビーイングを考えるうえで外せないのが「食事」だ。健康的な食事を提供する社員食堂(以下、社食)を設ける企業もあるが、オフィス環境やコスト面から設置のハードルは高い。実際に、「社食がある」と答えた人は約2割にとどまるというアンケート結果もあり、日本企業における社食の普及率は低いと考えられる。

また、ハイブリッドワークやテレワークが浸透し、従業員の働く場所はオフィスだけではなくなった。公平性を考えると、オフィスだけではなくテレワークを行う従業員にも、食事補助を行う必要がある。そこで今、注目を集めているのが、在宅勤務者向けの社食サービスだ。本稿では、自宅に配送可能な社食サービスを5つ厳選し、その特徴を紹介する。

社食サービスとは?

全国の社食を紹介するポータルサイト・社食ドットコムが2021年に行ったアンケートでは、社食がない企業の従業員の63%が「社食があったほうが良い」と回答している。​​また、社食がある企業の従業員では90%が「社食があったほうが良い」と回答しており、食の福利厚生に対するニーズの高さがうかがえる。

食堂の設置は難しいが社食は提供したいという企業のニーズに応えたのが「社食サービス」だ。社食サービスとは、従業員の健康で快適な食事を補助するサービスのことで、次のような形態がある。

宅配型:弁当や惣菜を休憩時間に合わせて社内に届けるサービス
提供型:社内の休憩室などを利用し、決まった時間に食事を提供するサービス
設置型:社内の一角に設置した専用の冷蔵庫や冷凍庫に総菜や弁当を届けるサービス

健康経営を推進する企業にとって、従業員の食事は注視したいポイントだが、忙しいワーカーほど食事に無頓着になりやすい。ファストフードやインスタント食品など栄養に偏りのある食事が続けば、生活習慣病のリスクとなる。従業員の健康的な食生活を支援するためにも、社食サービスの活用をおすすめしたい。

スペースやコスト面の負担が大きな社食と異なり、社食サービスは小規模のスタートアップから大企業まで、会社の規模によらず利用しやすいのが特徴だ。導入にあたっては、従業員の昼食の状況(弁当持参・外食利用など)と、利用希望者の数などをあらかじめ調査したうえで、適したサービスを選択するとよいだろう。

テレワーク対応の社食サービスを導入するメリット・デメリット

働き方の多様化が進み、テレワークで働く人が増えてきたことで、在宅勤務者に対応した社食サービスも登場している。サービスの導入を検討する企業に向けて、企業と従業員それぞれの観点からメリットとデメリットを紹介したい。

・企業側のメリット・デメリット

栄養管理の行き届いた社食サービスを導入すれば、企業は、自然と従業員の健康維持に寄与できる。また、社食サービスのような食事補助は従業員も利用しやすく、満足度の高い福利厚生といえるだろう。「福利厚生の充実」は企業ブランディングにもつながる。働きやすい快適な職場として、優秀な人材の定着率がアップすれば、企業のメリットは大きい。

一方で、社食サービスの導入により企業は少なくないコストを負担することになる。初期コストは無料~数万円ほどだが、月々の利用料はもちろん月額固定費が必要なサービスもある。とはいえ、大掛かりな設備投資が必要ないことや、運用(在庫管理・発送・集金作業など)をサービス会社に一任できることを考えれば、そう大きなデメリットともいえない。社食サービスを導入する際は、内容とコストを照らし合わせながら、複数のサービスを検討することをおすすめしたい。

・従業員側のメリット・デメリット

テレワーク対応の社食サービスがあれば、従業員は休憩時間に食事の準備や買い出しをする負担が軽減され、その時間を有効活用できるだろう。また、メニューが豊富な社食サービスなら、好みの食事を選んだり、不足しがちな野菜を追加したりといったように、健康的で快適な食事を楽しむことが可能となる。バランスのとれた食事は精神や身体の健康を保ち、仕事へのモチベーションアップにもつながる。

従業員側にデメリットがあるとすれば、食事が自宅に届くことで、外出するきっかけがなくなることだろう。通勤の必要がないテレワーカーは、体を動かす機会が少ないため、運動や気分転換の時間を増やす工夫を考えておきたい。

テレワーク対応の社食サービス5選

テレワーク対応の社食サービスは、基本的に自宅に配送可能な「宅配型」を選ぶことになる。仕組みとしては、企業が初期コストを負担し、従業員の利用料の一部を補填するというのが一般的だ。​​ここでは、テレワーク対応の社食サービスを5つ紹介する。

1. オフィスおかん仕送り便

画像は株式会社OKANのWebサイトより

株式会社OKANが提供する「オフィスおかん」は、「設置型」の社食サービスだ。従業員は、社内の専用冷蔵庫(3サイズから選択)に保管された惣菜のなかから、好きなものを取り出し、電子レンジで温めるだけで手軽に食べることができる。

これとは別にテレワーク対応の「オフィスおかん仕送り便」があり、従業員の自宅に1袋ごとに小分けされた惣菜がクール宅急便で配達される。真空パックされた惣菜は管理栄養士が監修し、旬の食材で調理したもの。そうした栄養バランスのとれた食事を器に出して温めるだけで楽しむことができる。前述の「オフィスおかん」との併用、「オフィスおかん仕送り便」のみの単独利用のどちらも可能だ。

・対応エリア:日本国内全域(ただし、クール宅急便対応エリア限定)
・配送頻度:月1回
・費用のめやす:届け先1件あたりの企業負担は2980円

2. YOUR MEAL

画像は株式会社Muscle DeliのWebサイトより

YOUR MEAL 」は、株式会社Muscle Deliが提供するテレワーク対応の社食サービス。企業の健康経営を支援すべく、管理栄養士が監修した栄養価の高い食事が冷凍で届けられる。注文ごとに、届け先を「自宅」「会社」のどちらにするのかを選択できるため、テレワークだけでなく、ハイブリッドワークの従業員も利用しやすいサービスだ。

簡単な診断を通して、体の状態や好みに合わせてカスタムした食事を届ける「YOUR MEAL」と、ボディメイクやダイエットを目的に高タンパク低カロリーの食事に特化した「Muscle Deli」の2種類のサービスから選べる。和食からエスニック料理まで、150種類以上​​と豊富なメニューが揃う。

・対応エリア:日本国内全域
・配送頻度:定期配送
・費用のめやす:従業員の利用金額の一部または全部を​​企業が負担(金額・割引率・回数など自由に設定可能​​)

3. オフィスでやさい for リモート

画像は株式会社KOMPEITOのWebサイトより

株式会社KOMPEITOは、「オフィスでやさい」「オフィスでごはん」といった「置き型」社食サービスを展開している。「オフィスでやさい」は名前の通り、産地直送の新鮮な野菜を使用したサラダやフルーツを中心としたヘルシーなラインナップが特徴だ。一方の「オフィスでごはん」は、管理栄養士が監修したお惣菜を冷凍したもの。いずれも1個100円~で購入できる控えめな価格帯が魅力だ。

テレワークには、新プランの「オフィスでやさい for リモート」が対応している。化学肥料・化学農薬不使用の「産直野菜セット」や、添加物不使用の「スムージーセット」、忙しい日に便利な「お手軽お惣菜セット」など、ユニークなセットから選択できる。​​栄養バランスに加えて、食の安心・安全への配慮もされている。野菜不足や栄養の偏りが気になるテレワーカーにとって嬉しいサービスといえるだろう。

・対応エリア:日本国内全域(5名以上従業員が常駐する企業で利用可能)​​
・配送頻度:毎月1〜2回の定期配送が基本
・費用のめやす:初期コスト・月額利用料は人数によって変動。企業が従業員にクーポンを配布し、従業員がクーポンを利用して購入するスタイル。クーポン金額は企業側で設定し負担する。​​

4. パンフォーユー・オフィスのリモートプラン

画像は株式会社パンフォーユーのWebサイトより

手作りパンを冷凍状態で届ける「パンフォーユー・オフィス」は、株式会社パンフォーユーが提供するパンに特化した「設置型」社食サービス。社内の冷凍庫に月替わりで届けられる冷凍パン(最大8種類)は、レンジで40秒間温めるだけで焼き立ての味わいを楽しめる。食事以外に間食での利用もしやすいことから、小さなオフィスから大企業まで幅広く利用されている。

2020年以降は、「宅配型」のリモートプランも開始。従業員が専用サイトにアクセスし、4種類(惣菜パン、菓子パン、ミックス、おまかせ)のなかから希望のセットを選んで購入するシステムだ。最短で3営業日以降に従業員の自宅に直接、冷凍パン1箱(15個入り)が配送される。​​

・対応エリア:日本国内全域
・費用のめやす:社員購入価格の一例は1箱15個入り2250円(送料・税込)。企業負担額は個別に相談のうえ調整可能

5. スターフェスティバル

画像は株式会社エイチ・アイ・エスのWebサイトより

旅行業で知られ、近頃では日本の「食」にまつわる事業にも注力する株式会社エイチ・アイ・エス。同社が手掛ける社食のデリバリーサービスが「スターフェスティバル」だ。契約農家が栽培する有機野菜を使用し、栄養バランスのとれた食事を真空パック(冷凍または冷蔵)にして従業員の自宅に配送してくれる。

メイン1品と副菜3品の「定食プラン」、ご飯にかけるだけの「どんぶり具材セット」があり、オプションとして主食のご飯やパンを追加する「主食オプションプラン」も用意されている。プランによって金額設定が異なるが、初期コスト不要のため、気軽に始められる社食サービスといえるだろう。

・対応エリア:日本国内全域(離島を除く)
・配送頻度:週1回(月曜日)
・費用のめやす:​​定食セットプラン(5食分)7800円、定食セットプラン(10食分)14800円、どんぶり具材セットプラン(5食分)​​4400円​​​​。​​​​いずれも送料・税込。

福利厚生の充実で従業員に選ばれる企業に

社食サービスは、従来の社食のように大掛かりな設備を必要とせず、また他の福利厚生に比べて誰もが利用しやすいことから、企業・従業員双方にとってメリットが大きい。近年は、テレワークで働く従業員にも対応した社食サービスやプランも登場している。

健康経営の一手として、また「働きやすさ」「充実した福利厚生」を実現する快適なワークプレイスの構築をめざして、こうした社食サービスの導入を検討してみてはいかがだろうか。

この記事を書いた人:Kaori Isogawa